つの重要なポイント
本書は学術研究論文ではなく、実践マニュアルである。著述はすべて科学的に裏付けられ、過去の最高のアイデアと科学者たちによる説得力のある発見を統合したものだ。参考にしている分野は、生物学、神経科学、哲学、心理学などだ。特に重要なアイデアを見いだし、すぐ実行できる形で結びつけることで役に立つ構成になっている。
1. Pythonの基本: 変数、文字列、数値
変数は名前を持つ記憶場所である。
変数とデータ型。 Pythonは文字列、整数、浮動小数点数などの基本的なデータ型を提供する。変数は代入演算子(=)を使用して作成され、これらのデータ型を格納できる。文字列は引用符で囲まれ、連結や繰り返しなどのさまざまな操作をサポートする。
文字列操作。 Pythonは文字列を操作するための組み込み関数とメソッドを提供する:
- len(): 文字列の長さを返す
- upper() と lower(): 文字列を大文字または小文字に変換する
- format(): 文字列の補間を可能にする
- インデックスとスライス: 個々の文字や部分文字列にアクセスする
数値操作。 Pythonは基本的な算術演算(+, -, *, /)だけでなく、べき乗(**)や剰余(%)などの高度な演算もサポートする。言語はまた、型変換(int(), float(), str())や数学的操作(max(), min())のための組み込み関数も提供する。
2. 制御フロー: ブール値、条件文、関数
関数は一度Pythonコードのブロックを書き、それを何度も使用できるようにする。
ブール論理。 PythonはTrueとFalseをブール値として使用する。比較演算子(==, !=, >, <, >=, <=)と論理演算子(and, or, not)はブール式を作成するために使用される。
条件文。 制御フローはif、elif、およびelse文を使用して管理される:
- if 条件:
コードブロック
- elif 別の条件:
コードブロック
- else:
コードブロック
関数。 関数はdefキーワードを使用して定義され、関数名とパラメータが続く。関数は引数を受け取り、操作を実行し、値を返すことができる。関数はコードの再利用性と組織化を促進する。
3. データ構造: リスト、辞書、タプル
リストはアイテムの順序付きコレクションを保持するデータ型である。
リスト。 リストは可変で順序付きのアイテムのコレクションである。角括弧[]を使用して作成され、さまざまな操作をサポートする:
- インデックスとスライス
- append(), extend(), insert()でアイテムを追加
- remove()とpop()でアイテムを削除
- sort()でアイテムをソート
辞書。 辞書はキーと値のペアの順序なしのコレクションである。中括弧{}を使用して作成され、キーと値をコロンで区切る。辞書は高速な検索を提供し、構造化データの保存に役立つ。
タプル。 タプルは不変で順序付きのアイテムのコレクションである。丸括弧()を使用して作成され、固定されたデータセットに使用されることが多い。作成後に内容を変更することはできないが、タプルは複数の変数に分解することができる。
4. ファイル操作: 読み取り、書き込み、モード
ファイルを開くには、組み込みのopen()関数を使用する。
ファイルのオープン。 open()関数はファイルを開くために使用され、さまざまなモードが利用可能である:
- 'r': 読み取り(デフォルト)
- 'w': 書き込み(既存の内容を上書き)
- 'a': 追記
- 'b': バイナリモード
読み取りと書き込み。 ファイルはread()、readline()、またはreadlines()のようなメソッドを使用して読み取ることができる。書き込みはwrite()メソッドを使用して行う。with文を使用することで、使用後に自動的にファイルを閉じることが推奨される。
ファイルモードとエラーハンドリング。 異なるファイルモードは、読み取り、書き込み、追記などのさまざまな操作を可能にする。ファイル操作時には、FileNotFoundErrorのような例外をキャッチするためにtry/exceptブロックを使用して潜在的なエラーを処理することが重要である。
5. モジュールプログラミング: モジュールのインポートと作成
Pythonモジュールは.py拡張子を持つファイルで、属性(変数)、メソッド(関数)、クラス(型)を実装できる。
モジュールのインポート。 モジュールはimport文を使用してインポートできる。特定の関数や属性はfrom module import functionを使用してインポートできる。これにより、コードの再利用と組織化が可能になる。
モジュールの作成。 カスタムモジュールはPythonコードを.pyファイルに保存することで作成できる。これらのモジュールは他のPythonスクリプトでインポートして使用できる。__name__変数を使用して、モジュールが直接実行されているかインポートされているかを判断できる。
モジュール検索パス。 Pythonはモジュールを見つけるために検索パスを使用する。このパスはPYTHONPATH環境変数を使用するか、コード内でsys.pathを操作することで変更できる。
6. エラーハンドリング: 例外とTry/Exceptブロック
例外は通常、プログラム内で何かがうまくいかなかったり、予期しないことが発生したことを示す。
例外の種類。 PythonにはValueError、TypeError、FileNotFoundErrorなどの多くの組み込み例外タイプがある。これらはコード内の特定の問題を特定するのに役立つ。
Try/exceptブロック。 例外はtry/exceptブロックを使用してキャッチし、処理できる:
try:
# 例外を発生させる可能性のあるコード
except ExceptionType:
# 例外を処理するコード
カスタム例外。 プログラマーは組み込みのExceptionクラスを継承することでカスタム例外クラスを作成できる。これにより、複雑なアプリケーションでより具体的なエラーハンドリングが可能になる。
7. Python標準ライブラリ: 組み込みモジュールと関数
Pythonは利用可能な大規模なモジュールライブラリを備えている。
一般的な標準ライブラリモジュール:
- time: 時間関連の関数
- sys: システム固有のパラメータと関数
- os: オペレーティングシステムインターフェース
- json: JSONのエンコードとデコード
- csv: CSVファイルの読み取りと書き込み
- random: 乱数の生成
組み込み関数。 Pythonは常に利用可能な多くの組み込み関数を提供する:
- print(): コンソールへの出力
- input(): ユーザー入力
- len(): シーケンスの長さを取得
- range(): 数値のシーケンスを生成
- type(): オブジェクトの型を判定
モジュールの探索。 dir()関数を使用してモジュールの内容を探索し、利用可能な関数や属性を表示できる。help()関数はモジュール、関数、オブジェクトの詳細なドキュメントを提供する。
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レビュー
本書『Pythonプログラミング初心者向け』は、平均評価3.90/5と、概ね好評を得ている。読者はその明快さ、シンプルさ、そして初心者プログラマーに対する効果的な内容を高く評価している。分かりやすい説明、実践的な例、そして演習問題が称賛されている。一方で、誤字や動作しない例が時折見られること、高度な内容が不足していることが批判されている。内容に対して価格が高いと感じる人もいるが、多くの人がPythonの基礎を学ぶための良い出発点と考えている。特に絶対初心者に推奨されるが、経験豊富なプログラマーにはあまり役立たないかもしれない。